社長の溺愛
「……慎…」
俺の腕に込められていた力が少し強くなる
元々、力が弱いのかまったく痛くない
その代わりなのかなんなのか…
細い身体にあまり似合わなそうな大きめの柔らかい胸がガッツリ当たってる
せめてもの救いは、着痩せするタイプなのか服の上からじゃ分かりにくいことぐらいだ…
毎晩、毎晩、己の本能と闘い続けてる俺にとっては振り払えない拷問だ
「しぃ…慎……」
「どうした?」
幾度と名前を繰り返し呼ぶ翼
エレベーターの中には二人しかいない
…………密室…二人きり…
やべぇ…じゃなくて!
そんなこと後だ後!!
「いっぱい…ひとが…」
その声は少し震えていて、怖かったのか涙目になっている
身長差が20センチ以上もある俺たちが向かい合えばもちろん翼は上目遣い
涙目で上目遣いはヤバいだろ…
ここがエレベーターでよかった…他の男には勿体ない! こんな可愛い翼は見せたくない!