社長の溺愛



「おかえり、今日もちゃんと勉強したか?」



「うん、ちゃんとした」


可愛い制服姿の仔猫を軽々抱き上げると、そのまま膝の上にストンと下ろす


座ったまま向き合うと、仔猫さながらに瞳をキラキラさせて口を開く



ここ最近の日課はこれで、翼の学校での出来事を聞く時間ができた



学校に行くことが少なかった翼にとっては学校とは神秘のようなもの



1週間ほど前に、自分から学校の様子について話はじめたときにはおどおどしていた口調も、今はハキハキとしている



「あのね、なっちゃんが褒めてくれたの」



……………。



なっちゃん…?


先生か?はたまた道端にいた猫か?


なんにしろ登場人物がまたひとり増えた


「なっちゃんって?新しい名前だな」



「そうなの、なっちゃんね友達なの!」



「友達…?」



「うん、ふわふわしてる…あと優しくて…強くて…怒って…笑うの…!」



「そっかそっか、いい子なんだな」



「うん!」





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