社長の溺愛
意味のわからないこと言いやがって…
めんどくさいな…
俺は考えることを放棄してさっさと逃げた秘書に電話をかける
どいつもこいつも俺の時間を奪いやがって
『日本でもよろしくね、…“色々”と……』
意味深な台詞のことなどすぐに忘れて、携帯の操作に力を注ぐ
今思えば……この時にちゃんと考えておけばよかったんだ
昔の女だと勝手に片付けないで、もっと慎重に丁寧に処理をしていれば…
あんなに健気で
素直で
純粋な彼女を……
翼を傷つけずにすんでいたのかもしれない……
俺の前から
姿を消すことだって―――……