社長の溺愛
「……ん……慎っ…!」
誰かが俺を呼んでる…
飛行機のなかでいつの間にか寝てしまったらしい
ほんのちょっと、微かな夢を抱いて瞳をあける
「……ちっ…幸弘かよ…」
真っ先に目に映ったのは、眼鏡をかけて秘書の顔をした幸弘
夢からさめたら翼がいる…なんてファンタジー妄想を繰り広げたが、粉々に粉砕された
「悪かったなぁ~…、もうすぐで着くんだってよ」
「……わかった」
返事を確認した幸弘は俺が寝ている間にしていたんだろう…
仕事に使った書類を片付け始めた