社長の溺愛
恋人
好きって愛なんです
成田空港に着いた途端
俺は誰よりも早く歩いていると思う
すぐ後ろには予測でもしていたような幸弘がついている
早く秋也の家に行かなければ……
翼に会うことが今の俺の原動力だ
プルルル…プルルル…
そのときだった
後ろの幸弘が眉を潜めて携帯を手に取った
俺は内心焦りつつも、今日はまだまだあると自分に言い聞かせた
荷物は全て送ったのでほとんど手ぶらの俺は、軽く手持ち無沙汰で少々落ち着かない
しばらくすると、なんともいえない嬉しそうな顔の幸弘がいた
「電話は?」
「もう終わった、それよりロビーに行くぞ」
何故か笑みを含んでいる幸弘
それに何故ロビーなんだ…?
「タクシーを拾うんじゃないのか?」
てっきりそうだと思っていたから自然と焦りが無くなっていく
「急遽変更っ!」
幸弘が歩みを進めるから、もうどうにでもなれの勢いで後に続いた