社長の溺愛
「どんなことだ…ん?」
「好きのこと…!」
「好きのこと?」
「そう、なっちゃんにはなんでもわかるの…!」
南月もずいぶん慕われてるな
翼にとって初めての友達だからな、まるで南月は神のように思っているんだろう
そんなことよりも今はこの仔猫だな…
「南月は好きのことを何て言ったのかな?」
ベッドに浅く腰をかけて彼女の赤い頬に触れる
その手に擦り寄るように近づいてくる
「なっちゃんがね、好きじゃないって」
「どういうことかな…?」
「なっちゃんにね『翼は慎さんのことが好きじゃないんだよ』って」
「……そうか」
オイオイ…
クソ野郎…なんの嫌がらせだよあいつ………!
俺がいない間にへんなこと吹き込みやがって…!!!
俺の気持ちとは裏腹に素直な仔猫は嬉しそうにしている