社長の溺愛
「わかってるよ」と再びメガネをかけ、翼に「また後で~」とだらしない顔で手を振る
「行こうか」
「ん…」
しっかりと手を繋いで社長室を後にする
最初こそ気になっていた社員の目は今となっては全然気にならない
寧ろ社員公認の仲となっている
……正直俺たちがどういう仲だというのはわからないが、客観的に見ると恋人なんだろう
だからか社員たちは俺たちを見るとニコニコと笑顔を作って挨拶をしてくれる
「あ、お二人はお昼ですか?」
受付嬢がふわりと笑う
「ちょっと外にでます、アポはないはずだよね」
「はい、行ってらっしゃい翼ちゃん」
「行ってきます…」