社長の溺愛



「翼、今日は出掛けようか」



恋人になってから2週間がたったある日


今日は土曜日


久しぶりに丸1日休みが取れたので、まだ眠そうにしながら俺に擦り寄る翼にそんなことを聞いてみた


基本的に寝るときは上半身の服を着ない俺は、少々男的に危ないが、翼を引き剥がすなんてことはできない



「翼?起きてるか?」


「ぅん……」



胸板に直接触れる手にキスを落とす


恋人になったからといっても何かが変わるわけではない


出会ったときからこうして一緒に朝を迎えていたし、抱き締めたり

キスをしたり


以前からしていることが変わりなく続いているだけだ



「出掛けたくないのか?」


「……いく」


「じゃあ起きな?」


「う~……起きる…!」



バサッ……



シーツをめくる勢いで上半身を起こした翼は、ブンブンと頭を振って眠気を飛ばす仕草をする



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