社長の溺愛



何本かDVDを手に取り翼のもとにいく


「翼…?」



広い店内を隅から見ていく



翼はいったいどこに行ったんだ…



一番奥の通路を見ると立ち止まっている彼女をみつけた


「なんか観たいのあったのか?」


声をかけると首を振って「ここ」となにやら前を指差す



近づいてみて指の示している先に視線を向ける



……………。



「男のひとが入ってたの…女のひとも一緒に入ってた…」



濃いドピンクの短いカーテンがかかった、明らかに雰囲気の違う一角



思いきり「18禁」と書かれている……


カップルで入るなんてなにをする気なんだよまったく…



軽く咳払いをして思わず出てきた冷や汗を引かせる



「そこはいいから」


「でも出てくる人笑ってたよ?」


ニヤニヤしてたんだろ!


「そこには怖いのばっかだから、きっとそのひとたちは怖いのが好きなんだよ」



「………好きじゃない」


「だろ?じゃあ行くぞ?」


「はーい」



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