社長の溺愛



「どうしたの?楽しい…?」



ひょこと横から顔を覗かせた翼は、俺が笑っているのを疑問に感じているようだ



にっこりと笑いかければ彼女もまた笑う


「楽しいよ、早く帰って観よう」


「うん、観る!」


二つ返事で返ってきた返事に、お返しとばかりに握った手に少し力を込める


それからほんのちょっとだけ歩みを速めてみたりした




―――――………



『エドマンドーッ!!!!』


『ルーシー来るんじゃない!』

『ピーターやめて!』




テレビの中には摩訶不思議せかいが広がっていて


ライオンが喋ってたりする…



それを隣でオレンジジュースを持つ翼は、これでもかってくらいに前のめりなり、瞳を大きく開けている


俺は映画よりもそっちのほうが気になるわけで、内容なんてのは微塵も入ってきてない





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