社長の溺愛
俺が映画を観てないことなんてすぐに忘れて再び釘付けになる
それからしばらくすると翼はソファーで横になった
当たり前だ
シリーズを全て1日で制覇するんだから
休日デートはいとも簡単にお家デートへ変わり
さっきまで出ていた太陽は沈みかけていた
水平線に溶けていくようにしてオレンジが広がっていく
すやすやと途中から連れてきた細長いウサギを抱く姿はなんとも愛しい
しかしこのままソファーに寝かせておくのもいいが、それでは翼が起きたときに辛いだろう
なんてかるい言い訳を考えて細い身体を易々と抱き上げる
所謂、お姫様抱っこだ
いつものことだからいい加減慣れてるけどな
ゆっくりと震動を避けて歩き、片手で寝室のドアを開ける
二人でも大きいベッドに寝かせて、白い額にキスを落とす
まるで白雪姫のようだな…
「んぅ…慎…?」
本当に起きなくてもいいのに…と、可愛い白雪姫には魔法の言葉を囁く
「まだ寝てな…ね…?」
わざと耳元に直接囁けば、案の定夢の中に落ちていく