社長の溺愛
翼に会えないことは何よりも辛い
電話をする暇もなく、いい加減充電切れな俺はため息ばかりを吐いている
「社長ぉ…あんまり無理しないでくださいよぉ?」
「………ぁあ…」
谷間が見えるってくらいに屈んだ彩加は俺の顔を下から除き込む
止めてくれ…
今みたいのはお前じゃなくて天使のような翼だから………
バンッ…!
そのとき、なんとも無遠慮に社長室の扉が開かれた
ああ…幸弘か…
乱暴に入ってたきた幸弘は、彩加を見て少し嫌そうな顔をする
俺に目で『早く出せよ』と訴えている
はぁ…面倒くせぇな…
「矢島さんありがとう、もういいよ」
「…でも、社長本当に大丈夫ですか…?」
「いいから…」
ため息混じりにそう言うと、しぶしぶとでもいうように部屋から出ていく
はぁ…
「どうした幸弘、なんかあったのか?」