社長の溺愛
まぁ、翼とその他の女を比べること自体が間違いなのかもしれないけど
「慎?ハマるのはいいけど仕事はちゃんとしてよ」
「わかってるよ」
タイミング良くエレベーターが止まり、軽快な機械音が鳴る
きっと会議が終わるころにはもう翼は帰っているだろう
というか幸弘が帰ってくるから必然的に翼は家に送られる…
申し訳ないが今日も1人で寝させてしまうようだ
心が痛い……
早くこの仕事を片付けて、翼にたっぷり甘えさせよう
「慎…じゃなくて社長、この資料に目を通しておいてくださいね」
またもや彩加によって現実に引き戻される
「あぁ、ありがとう」
ガチャ……
会議室にはまだ人の姿はない
「ちょっと早すぎたみたいね」
………はた迷惑な…!
翼との時間を返してほしい…と言いたいところだが、資料を読む時間も必要だ
これが彩加の罠だとは気づかずに………――――