社長の溺愛
どうしたものか…言われた通りに抱き締めれば彼女は長い睫毛を伏せる
本当に何かあったんじゃないのか?
「翼……大丈夫か?無理して来なくてもいいよ…?」
睫毛が揺れる………
「来ちゃ……だめ…?」
茶色い瞳がゆらゆらと不安定に揺れ動くから、俺は焦って言葉を紡ぐ
「いいよ、いいんだよ…来てくれて嬉しいよ?」
「…………」
本当に……どうしたんだろうか……
昨日も帰れてないから何があったのかもわからない
というか、何かあったのなら翼が言わなくとも幸弘から伝えられるはずだ
で南月と喧嘩でもしたのだろうか…?
それとも優羽ちゃんか…?