社長の溺愛
ゆっくりとゆっくりと、耳に入るその言葉
「は…?」
「だから、熱出したんだって」
ドカッとソファーに腰を掛けた幸弘はまたもや深いため息を吐き出す
まじかよ……
ちょっとまて、熱をだしてるならなんで幸弘がここに…?
「翼は今どこにいるんだ?」
「家にきまってんじゃん」
「どこの家だよ」
「お前のマンションだって」
あぁもう……イライラする…
つまり、幸弘の言った言葉は彼女は今ひとりだということを示している
「なんで1人にしたんだよ」
「………矢島と一緒にいるお前には教えない」
「意味がわからない、なんでだ」
早くしろ、と強く瞳で促せば幸弘は困ったような顔をして言う
「ひとりにしてって…言われたんだよ」