社長の溺愛
「迎え行ってくる~♪」
車の鍵を指に引っかけ、意気揚々とスキップをして社長室から出ていく幸弘
「好きなもの選ばせてやれよ」
「わーってるって!」
時刻はおやつごろの3時過ぎ、学校にいる翼を迎えにいくために、幸弘が社長室から出ていく
本当は俺が行ってやりたかったが、昨日も抜け出したからな…
「社長は座って仕事してろ~」と言われ、渋々幸弘に任せた
翼は昨日いきなり連れてきたから、家にはまったく翼のものがない
全部俺が決めればいいのかもしれないが、それでは今までの奴らのように彼女の意見や趣味を無視することになる
だから帰りに買い物をさせようと幸弘に頼んだ
ついでに言うと、ベッドは買わなくていいと忠告しておいた
昨日、1人で寝てただけで床に座り込んでしまった彼女だ
毎日誰かしらと寝ていたのだから怖かったのだろう…
その誰かしらを考えると多少イライラするが…
まぁ、単に俺が翼て寝たいなんて思いが大半を占めているような気もする
彼女がとなりにいるだけで、寝心地がいいんだ
俺は両手に袋を抱える翼を思い浮かべて、仕事に神経を集中させた