社長の溺愛
「慎!ごめん!」
数時間後、いきなり現れた幸弘が社長室に入ってきたと思ったら、両手を合わせて謝っている
その後ろにはちょこんと小さな翼が突っ立っている
「買い物は行かなかったのか?」
俺が想像していた両手に袋はどこにも無い
それどころか買い物をした痕跡すらない
「どうゆうことだ幸弘?」
翼に座っているようにと促して、事の事情を伺う
翼は大人しくソファーの隅に座ると、カバンの中から新しいシャーペンの芯を取り出した
幸弘はそれを見つめると肩を盛大に落とす
「それがよ…ーーー」
幸弘は小さくため息を漏らしながら成り行きを話した