社長の溺愛
「……………今さらだろ…」
「でもさ、こんな大事なことをずっと黙ってて……」
「俺のことを考えて黙ってたんだろ。事故の記憶を思い出さないように」
「…………………」
「もういいから、さっさと翼の居場所を教えろ」
ほんの少しの間ぽかんとしていた幸弘はすぐにいつもの笑顔を見せた
「負けたよ、手配しとくから準備しとけ」
「準備?どこに行くんだ」
ぐぅ~と腕を伸ばして伸びをした幸弘は長い脚を使って立ち上がる
「翼ちゃんのとこ、そうだな…3日くらいなら休みを空けれる…3日分の服でも詰めとけ」
「は…?3日?」
「日帰りはキツいからな」
「どこなんだよ、遠いのか?」
怪訝そうに眉を寄せれば幸弘は楽しそうに目を細めた
「……軽井沢」