社長の溺愛
ずっと、一緒に。
びくり、と小さな体を揺らして分かりやすく反応する彼女
「翼!」
あと少しというところで両手を広げてみせる
いつもなら迷わずに駆けてくるはずだが、さすがに動揺している
その表情は逆行によりよくわからないが、泣きそうなのは確かだ
来ないほうがよかったのでは……
一瞬嫌な考えが浮かんだか降り飛ばす
彼女は今、混乱しているんだろう
いつものように、いつものようにと心掛けて声を出す
ゆっくり息を吸って、吐いて
まるで囁くように
「……おいで、翼」
瞬間、彼女は胸に飛び込んできた
「慎っ……!」
前よりほんの少し細くなった彼女は相変わらず可愛いい声で俺を呼ぶ
ぎゅっと抱き締めて涙にキスをするように目尻に唇を這わす