社長の溺愛
もう離さないように
一生を懸けて彼女を大切にするんだ。
太陽が強く輝いて俺たちを照らしている
二人だけの世界にいる錯覚に落ちそうになった、寸前
声が聞こえた
「あっれ、社長さんじゃないですか」
どこからか現れた胡散臭いやつ
能天気というか
なんだか掴み所のないような声の持ち主は、対して驚いたような表情もみせない
翼は未だ泣き続けているためか、抱きついたまま
「こんにちわ……………なっちゃん」
「………うっざ、社長うざ!無駄に爽やかっすね!」
と、俺に対して華麗な暴言を吐き捨てたのは金髪がよりいっそう輝いてまぶしい南月である
ほんの少しの間に身長が伸びたように見える
成長期の恐ろしさを目の当たりにした気分だ