社長の溺愛



「一緒に…エッチなこと……したの…?」


「―――…へ…」


予想外の言葉にまたも意識が飛びそうになるが、ちゃんと考えてみればそれに関連することをいわれたのだろう



「したって…言ってたの…それで…、相手にも…ならないのって…」


せっかく見つめあっていたのに彼女は俺の胸に顔を埋めてしまう


まだまだ言葉が苦手な翼の言動一つ、一つに補足情報を脳内で付け足していく


「相手って…その、エッチなことの相手にってことか?」


さらさらな綺麗な髪が揺れることで頷いたのを確認する


つまり『女として見られてない』とでも言いたかったのだろう


なぜそんなことを言ったのかわからないが、まずは弁解をしなくてはいけない



「あのな、昔は確かにエッチなことをしたかもしれない。でも今はしてないよ、翼が大事だから、翼としたいから」


回りくどい言い方をして傷つけたくない、だったらストレートに思いを伝える



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