社長の溺愛
―――――……
――……
乱れたシーツの上で俺の腕のなかにすっぽり入る愛しい仔猫
ゆっくりと呼吸を繰り返す彼女の額には汗が浮かんでいて、綺麗な髪が張り付いている
優しく起こさないようにと取り払えば、首筋や鎖骨、肩や腕にある赤い花
シーツをめくれば数えきれない花が見えるだろう
それほど彼女を求めていたのだ
情事中、痛みに涙を流す彼女を見て何度も止めようと思った
しかしそれ以上の幸福感が上回り、結局最後まで愛した
ゆっくり優しくなんて出来たかどうかはわからないが、今までのなど比べ物にならないものだった
苦痛に耐える表情でさえも愛しく感じたんだ
再び燃え上がりそうな欲望を押さえ込んで、眠る彼女の瞼に唇を落とす
すると眠りが浅かったのか睫毛が揺れる
「ん………慎…?」