社長の溺愛



「翼ちゅわーん!」



社長室に入るなりデレデレの顔をして飛び出てきたバカ


「幸弘くん」


猫のようにバカにくっつく翼



「今日もお手伝い?」


「うん…慎のお手伝い」


「そっかそっかぁ~」



幸弘はちらっと俺に視線を向ける顎で「行け」と合図する


他の男に翼を預けるのには抵抗があるが、仔猫がなついてるのは俺か幸弘しかいない


俺は軽く頷いて



「会議行ってくる」




踵を返して社長室から足早に出た



寸前に


「慎―……」



哀しそうなか細い声が聞こえた



俺は待ち合わせていた第4会議室に向かった






< 62 / 413 >

この作品をシェア

pagetop