社長の溺愛
‐5年前‐
そのころ13歳、中学一年生だった翼
いつのころからか頻繁にレンタルされていて、その日も学校を終えてレンタル先に帰る予定だった
そのときの主人はすでに約4ヶ月間レンタルしていた
慣れた道を歩いていたときだった
翼を見て不気味に笑った人物が1人
車の中からその姿を見つけ、直ぐ様身元を調べさせた
そのときの男が宮下吉雄だ
たまたま一緒にパーティーに行っていた遼は、その不気味な笑顔を見てゾッとした
(ああ、また被害者が増えるんだ…)
それからしばらくして、まだ幼い翼が宮下吉雄にレンタルされた
吉雄は翼を手に入れるために、そのときレンタルしていたヤツを脅し、さらには予約していた奴らまでもを全て金で操った
吉雄には以上なまでの独占欲・束縛があった
吉雄が目をつけた女は必ず捕まえられ、『監禁』される
手足を縛り付け、薄暗い部屋に閉じ込めるのだ
そして、それを監視カメラを通して自室で眺めることが吉雄の至福のときだった
遼は毎度毎度繰り返される監禁を見て見ぬふりをしていた
一度注意したら、そのときに付き合っていた女に目をつけられたことがあったのだ
無論、そんなこと知らない翼はいつものように学校に行った
それが
翼を苦しめる
合図だと知らずに……―――