社長の溺愛



次のレンタルが入ったと突如、主人が変わった


新しい主人は外科医



吉雄がそのときに使っていた金は祖父の正二の金で、既に底をついていた


遼は心の隅で罪悪感にさいなまれていた


彼女がいなくなった後も


『あの時に逃がしてあげれば』
『俺が連れて来なければ』




翼の瞳は完全に闇色に染まってしまった



抗えない恐怖




誰にも救われない自分





『いらない存在』



『あたしは人形』



『レンタル商品』







だが、他の主人に飼われたのはたったの3週間だけだった




宮下吉雄が







再び







レンタルしたから―――……










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