社長の溺愛
翼を取り戻す為にいろいろな手を使ったのだ
再び監禁生活を送る
しばらく経つと、また新しい主人に変わった
しかしそれも数週間で終わる
そして吉雄に捕らわれる
そんな日々が4年間も繰り返した
次第に薄れて失われた価値感に、逆らわない翼はきっと絶望していたんだろう
いや、それすらも無かった
感情など皆無だ
遼は翼が連れ戻される度に闇に引きずられていくのを見ていた
闇は底をしらずに深く深く沈ませる
そして17歳になったとき、翼が新しい主人に飼われていたときに『買う』人が現れた
それは『浅倉慎』という社長だった
吉雄は当然成瀬に押し掛けたが、何故か既に会社はなくなっていて、さらには養子縁組までもが解消されていた
遼は父親の秘書をするために、ある会社に入社した
それがWingだった