社長の溺愛



「………?」


唇に当たるアメからオレンジの匂いがする



なんだなんだ…?



翼は奇想天外すぎて分からない行動をする



「アメ…」



うん、知ってるよ


アメだね



「食べないの…?」



食べてほしいのか?



「嫌い…?」


ちょっと不安そうにアメと俺を瞳に捉える


嫌いじゃないけど…


翼は唇に当てられているアメを離すと「ん~…?」と唸る



「…………」



「慎…口開けて」



今度は上目遣いで謎のお願い


まぁ可愛いから素直に口を開ける


すると、翼はそこにアメを入れた



「…………翼?」



口の中がオレンジの味でいっぱいになる



「……おいしい?」


「うまいけど…」


「お仕事には……甘いの食べないと…?」



なんで最後が疑問系になったのかはよく分からないが、翼は俺を思っての行動らしい



………可愛いなぁ…



いや、本当に可愛い



「ありがとな」


頭をポンポンと撫でると「お仕事待ってる」とこれまた愛らしいことを言ってくれた


いつもの何倍も頑張れそうだ




< 84 / 413 >

この作品をシェア

pagetop