社長の溺愛
その後もガラガラと音をたてながらスーパーをうろちょろする翼から、なるべく笑顔で虫除けの仕事をこなした
マンションに着くなりキッチンに直行する翼は、買ってきた物を手早く出していく
「早く作ろー…」
「うん、そうだね。じゃあ翼はパスタ茹でてくれる?」
「わかっ…た?」
謎の疑問系は軽く頭を撫でてスルーをした
たぶん返事は『わかった』でいいかと確認をしたんだろう
翼は頭を撫でられ確認が済んだようで、慣れた手つきでパスタを茹で始める
俺は翼のことを気にしつつも具材を切っていた
翼は普段からあまりしゃべらないが、料理をするときは本当に無口になる
だからか俺は若干ハラハラしてしまう
何も言わないから、『ケガしてないか?』『作り方わかるか?』などなど…
俺は翼といると心配性になってしまう
過保護といった方がいいのか、幸弘には『お前は親父か!』と言われた