社長の溺愛
白いレザーの社長席に座ると、当然の如く仕事が降ってくる
幸弘は俺の机にある紙束を一瞥すると「俺も仕事~」と言ってそそくさと出ていった
俺に手伝わされる前に逃げたな…
仕方ねぇ、1人でやってやるか
それから1時間
………2時間
………3時間
腕時計は時を刻んでいく
それに比例するように紙束は消えていき、違う案件が飛び込んでくる
チクチクチクチク……
リズムを刻む腕時計を眺めていたとき
コンコン―――……
ちらっとドアを見て「…とうぞ」と声をかける