隣の。
踏切を待つ間に沢田君に電話をしようとケータイを開く
『へ……!?なにこれ!』
そこには
着信履歴43件
全部、沢田君
沢田君はメールが嫌いなんだ
早く帰らないと
とりあえず電話…
プルルル
プルルル
プルルル…ガチャ
『…沙織?』
良かった…出た
『沢田君、ごめんね 今から帰るからっ』
『………』
『沢田君?』
電車がくる
『沢田君?』
ガタンゴトン
『沙織、……て』
聞こえない
『ごめん、何?』
方耳だけ閉ざすと
もう一度沢田君が静かに言った
そして私は言葉を失う
『沙織、帰ったら覚悟してて』