hb-ふたりで描いた笑顔-
老婆はいくつか荷物を持っていた。その中の一つを幸男は持ってあげた。ランドセルといい、大きな荷物といい、パッと見、幸男の姿は見えない。まるで、ひとりでに歩く荷物のようだ。
「ふぅ。」
そう言いながら荷物を玄関に置いた。それもゆっくり大切にだ。それもあって細い腕が震えているのが、とてもよくわかった。
「ありがとね。」
「いいんだよ、おばあちゃんが笑ってくれたら、僕もうれしいんだから。」
「そう、うれしいんだ。」
幸男の言うとおり、老婆は笑った。
「そう言うのがうれしいんだ。じゃ、僕、行くね。」
幸男は玄関を出ようとした。その時だ。
「待って。」
あゆみが言った。幸男は声をかけられるなんて思っていなかったから、思い切りドアを開けていた。ただ、声をかけられたからあゆみを見る。そして、衝撃が走った。開けたドアが、幸男の頭にぶつかったのだ。
「いたぁ。」
ちょうど角が当たった。これはかなり痛い。
「大丈夫?」
あゆみも、老婆も声をかけた。
「う、うん。それより待ってって・・・何?」
頭をさすりながら言った。
「あ、ううん。何でもない。」
あゆみは何故か照れている。でも、その意味を幸男が理解するには早かった。
ただ、老婆はあゆみがどうしたいのか、手に取るようにわかった。あゆみの気持ちを察して、幸男に言った。
「僕は、あゆみの事を知っているの?」
腰を屈め、しっかりと目を見た。
「うん、同じクラスだからね。でも、おばあちゃんが、あゆみちゃんのおばあちゃんだなんて、僕、本当にビックリしたよ。」
キラキラと目を輝かす。純真な目だ。
「ふぅ。」
そう言いながら荷物を玄関に置いた。それもゆっくり大切にだ。それもあって細い腕が震えているのが、とてもよくわかった。
「ありがとね。」
「いいんだよ、おばあちゃんが笑ってくれたら、僕もうれしいんだから。」
「そう、うれしいんだ。」
幸男の言うとおり、老婆は笑った。
「そう言うのがうれしいんだ。じゃ、僕、行くね。」
幸男は玄関を出ようとした。その時だ。
「待って。」
あゆみが言った。幸男は声をかけられるなんて思っていなかったから、思い切りドアを開けていた。ただ、声をかけられたからあゆみを見る。そして、衝撃が走った。開けたドアが、幸男の頭にぶつかったのだ。
「いたぁ。」
ちょうど角が当たった。これはかなり痛い。
「大丈夫?」
あゆみも、老婆も声をかけた。
「う、うん。それより待ってって・・・何?」
頭をさすりながら言った。
「あ、ううん。何でもない。」
あゆみは何故か照れている。でも、その意味を幸男が理解するには早かった。
ただ、老婆はあゆみがどうしたいのか、手に取るようにわかった。あゆみの気持ちを察して、幸男に言った。
「僕は、あゆみの事を知っているの?」
腰を屈め、しっかりと目を見た。
「うん、同じクラスだからね。でも、おばあちゃんが、あゆみちゃんのおばあちゃんだなんて、僕、本当にビックリしたよ。」
キラキラと目を輝かす。純真な目だ。