hb-ふたりで描いた笑顔-
腑に落ちない提案
「先生、姉さんはどうなんでしょうか?」
美優たちは病院に来ていた。もちろん、美喜の検査をするためだ。
割腹のいい医者は、ため息をついてから言った。
「俗に言う、記憶喪失と言うものですね。」
美優は凹んだ。
「それで治すにはどうしたら?」
藁にもすがる思いだ。
「こうなった理由はわかりますか?」
美喜は突然いなくなった。だから、理由はわからない。
「いえ、姉は突然いなくなりました。なので、理由は・・・。」
「そうですか。だとすると、おいそれとは治せるものではないですね。」
「と言うと?」
「一通りの検査をしてみました。しかし、記憶を失っている事実以外、まったくの健康体です。となると、外傷性のショックによるものとは考えがたい。となると、残りは精神的なものになるわけですが、原因がわからなければ何がキーになるか、想像もつかない。」
「キーですか?」
美優には意味がわからなかった。
「よくあるでしょ。街を歩いていて看板とか見ると、やらなければいけない事を突然思い出すとか。」
「ありますね。」
「それは看板がキーになってるわけです。」
「なるほど。」
少し間を置いてから、医者は続けた。
美優たちは病院に来ていた。もちろん、美喜の検査をするためだ。
割腹のいい医者は、ため息をついてから言った。
「俗に言う、記憶喪失と言うものですね。」
美優は凹んだ。
「それで治すにはどうしたら?」
藁にもすがる思いだ。
「こうなった理由はわかりますか?」
美喜は突然いなくなった。だから、理由はわからない。
「いえ、姉は突然いなくなりました。なので、理由は・・・。」
「そうですか。だとすると、おいそれとは治せるものではないですね。」
「と言うと?」
「一通りの検査をしてみました。しかし、記憶を失っている事実以外、まったくの健康体です。となると、外傷性のショックによるものとは考えがたい。となると、残りは精神的なものになるわけですが、原因がわからなければ何がキーになるか、想像もつかない。」
「キーですか?」
美優には意味がわからなかった。
「よくあるでしょ。街を歩いていて看板とか見ると、やらなければいけない事を突然思い出すとか。」
「ありますね。」
「それは看板がキーになってるわけです。」
「なるほど。」
少し間を置いてから、医者は続けた。