貴方と私
貴方と私
静かな空き教室には縛られた私と拳銃を持った貴方。外には全校生徒に教師。後警察の人。
代わり映えの無いつまらない日常に舞い込んで来た非日常的空間。
「…おい」
「何ですか?」
「お前、怖くないのかよ」
「何が怖いんですか?」
「全部だよ。この状況も、俺の事も」
「怖くないですよ。寧ろ楽しいです」
私がそう言えば、拳銃を持ったこの人は少し驚いた顔をした。
「人質何だぞ?殺されるかもしれないんだぞ?」
そう。私は今人質。拳銃を持ったこの人は立て篭もり犯。
「こんな事中々体験出来ないじゃないですか」
「…そうか」
「あの」
「何だ」
「一つ質問しても良いですか?」
「……好きにしろ」
「何で立て篭もってるんですか?」
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