部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
** キャプテン 佐 紀
………(1) 始 動
朝、佐紀の家。
玄関のドアが、勢いよく開くと、
「いってきまーす」
佐紀が元気な声で、出て行った。
県大会が終わり、3年生が引退して、
今日からはいよいよ、佐紀達の代である。
「梨沙~、おっはよう」
佐紀は、前にいた梨沙に声をかけた。
「あっ、キャプテン、おっはー」
「ちょっと、やめてよ」
「だって、キャプテンじゃん?」
「それは、そうだけど、
改まって言われると、恥ずかしいよ」
後ろから、友理の声がした。
「おはようさん」
「あっ、ユリ、おっはよー」
「おはようさん、キャプテン」
「もう、ユリまでぇ」
「せやかて、キャプテンやん」
「だからぁ、それは、部活の時。
普段は、今まで通りで、いいよぉ」
「やっぱ、リサの言う通りやな」
「えっ、何?」
「リサと、賭けしたんや。
サキに“キャプテン”って言うたら、
どんな反応するかって。
ウチは、喜ぶと思たんやけどなぁ」
「何年サキと、
一緒にいると思ってんの」
「ウチはまだ、修業が、足らんわ」
「もぅー、やめてよ」
「じゃあユリ、帰り、ジュースね」
「う~ん、わかったわ。
も~ぅ、サキぃ、
キャプテン、なったんやから
もっと嬉しそうに、せな」
「いいでしょ。
そんなの、個人の自由なんだから」
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