部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
久美子は、梨沙に、
「君、マネージャーだよね。
プレイは?」
「はい、足、やっちゃて」
「どこ?」
「十字です」
「じゃあ、私と一緒だ」
久美子は、お酒も入っていて、
気が昂ぶって来たのか、泣き始めた。
「ケガって、辛いよね。
みんなと一緒に、走りたかったのに、
もう、外から見るだけになって、
どんなピンチの時でも、
応援する事しかできなくて……」
泣きながら話す久美子に、梨沙もつい、
もらい泣きをしてしまった。
歩美は久美子がマネージャーになるまでに
多くの葛藤が、あったんだろうなと思った。
そして、横で泣いている梨沙も、
それは、同じなんだろうなと、思った。
久美子は、涙を拭うと、
「アハハ、ゴメン、ゴメン。
つい、気持ち、入っちゃって、
つまらない愚痴、言っちゃった」
梨沙も、涙を拭いながら、
「いえ、わかります」
「だよねえ。同じ境遇の者同士、
仲よく、やろっ」
「はい」
そこへ、2年生の理恵が、やって来た。
「おお、これは、次期キャプテンの、
リエちゃん。
さあ、座った、座った」
そう言って久美子は、隣の席を、
ポンポンと叩いた。