部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

桃子は、他の地区から入って来たので、
佐紀たちとは、面識がなかった。

他のみんなは、中学の時から仲が良く、
入り難かったのか、一緒に行動しても、
桃子はいつも、横で、皆を見ていた。

だから皆も、桃子は、そんな性格なんだと、
思っていた。


  「一人が好きなのかと、
   思ってましたわ」


  「嫌いじゃないけど、みんなと、
   ワイワイするのも、好きだよ」


  「猫を、被ってましたの?」


  「まあ、そういうことかな」


里香が、呆れたような声で、


  「2年間も?」


  「うん、まっ」


  「サキが聞いたら、泣くよ。

   遠慮なんかしてると知ったら、
   サキ、仲間を大事にしてんだるから」


  「うん」


佐紀は、自分の名前が聞こえたので、
振り返って、


  「何?」


と訊いた。


  「何でも、ありませんわ」


  「モモのギャグは、寒いなって」


  「あっ、そうだね」


と言って、また、向き直った。

すると桃子が、


  「何で、納得するのよ」

< 107 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop