部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

桃子は、華子にも、訊いた。


  「ソノは?」


  「私は、この、甲陽高校に来るのに、
   かなり無理を、聞いてもらいましたの

   だから今度は、お父様の言う事を、
   聞こうと、思いますのよ」


  「お嬢様大学かぁ。

   いいよなぁ、華子は、
   どこへでも、行けて」


  「あら、
   そんなことは、ありませんわよ」


  「金の力は、偉大だもんね」


  「私は、私の力で、正々堂々と、
   勝負しますわよ」


華子は、憮然とした顔で、言った。



  「ユリは?」


しかし友理は、そのまま、勉強を続けていた

桃子は、聞こえなかったのかと思い、
もう一度、訊ねた。


  「ユリは? どうすんの?」


友理の、書いている手が、止まった。

そして、下を向いたまま、


  「ウチ、就職するわ」


と、言った。

全員が、友理を見た。

桃子が、素っ頓狂な声を上げた。


  「えぇー、なんでぇ?
   そんなに、勉強できるのに」


全員が、そう思った。

体力のことでは、よくネタにされるが、
勉強に関しては皆、一目置いていた。


  「うち、お父さん、いてへんから」


桃子は、それに対して、無邪気に訊いた。


  「死んじゃったの?」

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