部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
練習が終わって、佐紀たちが、
体育館から、出て来た。
旅館に帰ろうと、歩いて行くと、歩美が、
「あれっ、いつもの、誰かさんの、
泣き言が、聞こえてこないや」
「しんど過ぎて、文句、
言う気にもならへん」
友理が、小さな声で、言った。
「練習終りの風物詩がないのは、
寂しいですわね」
「ハハハ、ホント、風物詩だよね」
「好きに言うたら、ええやん」
と、再び、か細い声で言った。
すると佐紀が、悪戯っぽい顔をして、
「じゃあ、走って帰るよ」
と言うと、友理が、大きな声を出した。
「えー、まだ、走んの?」
「ハハハ、冗談だよ」
「もぅー、やめてや。
ウチは、サキの言う事は、
信用してまうんやから」
「それだけ大きな声が出せたら、大丈夫
まだ、元気、あるじゃない。
さっ、帰るよ」
そう言って、旅館に向かって、歩いて行った。
後ろで、友理は、大きな溜め息をついた。
「はあー~~。
いらん体力、使てもうた」
そして、旅館に向かって、
幽霊のように、歩いて行った。