部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
体育館から出てくると、佐紀は、友理に、
「あんな顔、しちゃダメだよ」
「私も、見ましたわ。あからさまに、
嫌ぁな顔、してましたわね」
「せやかて、シュート練習や、
思てたもん」
「それは勝手に、
思い込んでただけでしょ」
「そら、そやけど」
「気を抜くと、余計、疲れるんだよね」
友理の声が、大きくなる。
「サキは、スタミナあるから、ええわ。
ウチは、イッパイ、イッパイで、
やってるんやで。
一緒にせんといて、欲しいわ」
「そんなこと、ないよ」
佐紀の声が、小さくなった。
友理は、自分がキレたことに気付いて、
ハッとした。
「ゴメン」
佐紀の悲しそうな顔を見て、心が痛んだ。
まるで、自分が、
暴力でも使ったかのように、感じて、
自己嫌悪に陥った。
その雰囲気を感じ取ったのか、華子が、
「さあ、明日も、頑張りましょ?」
と言うと、気持ちを切り替えたのか、
明るい声が、返って来た。
「そうだね。また、頑張ろっ?」
「うん、頑張るわ」