部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
道は、丘に向かって、一直線だった。
少し上り坂になっていたが、
それ程、苦にはならなかった。
しばらく走ると、正面に、フェンスが見えた
フェンスまで行くと、
その向こうは、池になっていた。
丘は、すぐそこに見えるが、
池をグルリと回らないと、
丘へは行けなかった。
そして、その池の両端は、
遥か彼方に、見えた。
「えぇー、ウッソォー」
友理は、自分の考えの甘さを呪いながら、
前を走る美智子の後を、追って行った。
丘は、昔、お城かあるいは陣屋だったのか、
上る途中の所々に、石垣が見られた。
友理が、頂上に着くと、皆、休んでいた。
桜はまだ、ほとんど蕾で、
何個かが、開いているだけだった。
佑香が立ち上がり、
「やっと、来たね。
じゃあ、帰るよ」
全員が、立ち上がった。
「えっ、ちょっと、花見を……」
すると、佐紀が、
「私たちは、十分、見たよ。
さっ、帰るよ」
「うわぁ~、サキ、冷たいわぁ」
「下にある、井戸の所で、
待ってるからね」
佑香がそう言うと、全員、丘を下りて行った
友理も、仕方なく、後に続いた。