部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
丘のふもとに、井戸があり、その上に、
手押しのポンプが、据えてあった。
「これ、田舎のおばあちゃんちで、
見た事ある」
雅美は、そう言って駆け寄り、
ポンプを押した。
筒から勢いよく、井戸水が、流れ落ちる。
皆は、それを手ですくって、飲んだ。
「うわぁ、おいしいー」
そう言って、皆、何度も、飲んでいた。
「ミヤ、交代」
佐紀が替わって、ポンプを押した。
雅美も、美味しそうに、飲んでいた。
友理がやって来た。
友理も、手ですくって飲むと、
「わぁ、おいしい~。
ホンマ、生き返るわぁ」
そう言って、友理は、何杯も飲んだ。
「ユリ、生き返った?」
と佐紀が訊くと、
「うん、生き返ったわ」
と答えた。
「じゃあ、行けるね。
ユカさん、帰りましょうか」
佑香は、笑いながら、
「サキちゃん、ユリちゃんには、
厳しいのね」
「そうなんですよ。ユカさん、
何とか、言ってやってくださいよぉ」
「いいんです。このくらい言わないと、
聞きませんから」
「ハハハ、じゃあ、行こうか」
そして皆、再び、走り出した。
美智子が、友理の肩をポンと叩いて、
走って行った。
「ユカさぁ~ん」
そう言いながら、友理も、後に続いた。