部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

すると、三田が、笑いながら、


  「“じゃあ”って何だよ、じゃあって。

   合宿はな、
   “辛いのは自分だけじゃない”
   ってことを知るために、するんだ」


  「はい、この合宿で、ようわかりました
   みんな、ウチと、同じなんやって
   思いました」


  「そうだ。
   誰だって、辛い事はしたくない。
   そこで、立ち向かうかどうかだ。
   逃げていたんでは、進歩はない。

   サキだって、ホントは、
   やりたくないかもしれない。
   でも、キャプテンだから、
   逃げられないんだ。

   しかし、そこで立ち止まらず、
   あえて、自分から、飛び込んで行く。
   それが今のサキを、作っているんだ」


友理は、真剣な顔で、聴いていた。

運転していた久美子が、


  「三田さん、いい事、言いますね。
   リエに、聞かせてやりたいですよ」


  「リエ? ああ、あの子か」


  「次期、キャプテン候補なんですが、
   ちょっと、逃げる所があるんですよ」


  「まあ、次期なら、
   まだ、時間があるじゃないか。

   それは、君たちが、育てなきゃな」


  「そうですよね」

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