部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

とはいうものの、板倉には、
気がかりな事があった。

それは、去年、あれほど痛い目に合った、
フォワードやセンターが、今回、
ほとんど、試合に出ていない事だった。

怪我でもしてるのかなと思ったが、
試合に出た時の動きを見ると、
そんな兆候は、見られなかった。

そして、板倉の、一抹の不安と共に、
決勝戦が始まった



スターティング・メンバーを見ると、
あの、デカいやつは、出ていない。


  “まあ、いいか。
   対策は、万全だからな”


そして、ゲームを見ながら、


  “まずは、あの、フォワードを潰す!”



板倉の計画では、
華子は、ボールを受ければ、カット・イン。

だから、抜かせておいて、後ろのカバーが、
コースを止め、サンドイッチにして、
そこからのパスを狙う、というものだった。

第1クォーターは、かなりの確率で成功し、
パスカットしていた。


オフィシャルのブザーが鳴る。

甲陽の、タイムアウト。

明邦、8点のリード。


  “よしよし、甲陽、あせってるな”

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