部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
明邦は、コーチに言われた通り、
友理が出てくるのを待った。
そのため、少し間が開き、
流れが、切れてしまった。
それは、例え、大きく振られても、甲陽が、
ディフェンスを、セットし直すには、
十分な時間だった。
そして、明邦はというと、
リズムがバラバラになり、攻めあぐんでいた
明邦のリズムは、今や、
友理のリズムになっていた。
それは、スロー・オフェンスに近い、
リズムだった。
第2クォーターの、甲陽のオフェンスは、
もっぱら、速攻だった
明邦も、シュートは、練習で打ち込んでいて
かなりの確率で、入っていた。
しかし、甲陽のスクリーン・アウトは、
強固で、シュートを落とすと、
オフェンス・リバウンドは、
ほとんど、取れなかった。
“落とせば取られて速攻”
というプレッシャーで、
明邦のシュート率は、徐々に下げて行った。
甲陽の2年生は、
後ろに3年生がいるという安心感で、
伸び伸びと、走っていた。
一見、無駄とも思える、大きな動きも、
お構いなしに、走り回っていた。
しかし、付いているディフェンスは、
たまったものではない。
次第に、明邦に、
疲労の色が濃くなって行く。
オフィシャルのブザーが鳴る。
「ハーフ・タイム」
明邦、10点のリード。