部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
ハーフ・タイムのベンチは、対照的だった。
楽しそうに、立っては歩き回る甲陽に対し、
明邦の5人は、ぐったりして、
椅子に座っていた。
明邦は、メンバーを、替えていなかった。
第1、第2とも、ベストのメンバーで、
闘っていた。
点差を詰められた今、次も、
ベストで、行かざるを得ない。
5人にかかる負担は、大きなものだった。
オフィシャルのブザーが鳴り、
審判が笛を吹く。
「3分前」
板倉は、皆に、檄を飛ばす。
「よーし、後半も、頑張って行くぞ。
ウチが、勝ってるんだからな。
このまま、行くぞ。
ファイトだ、ファイト」
「はい」
甲陽ベンチを見ると、今度は、デカいやつも
あのフォワードも、出てないようだ。
「よし、今だ。
このクォーターで、差を広げるぞ。
いいか、走り負けるなよ」
「はい」
第3クォーターが、始まった。