部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
県大会、2日目。
準々決勝も、無難に勝つことが出来た。
亜紀、由紀、里美は、出しても、
安心して見ている事が出来た。
ハーフ・タイムで、勝敗の行方が、
見えて来たので、佐紀を下げて、
2年生のガードの瑠菜を、出した。
すると、点差が詰まり始めた。
得点はするのだが、
瑠菜を起点とする失点も、多かった。
三田は、ベンチから大きな声で、瑠菜に、
指示を送り続けた。
“まっ、カバー・ディフェンスの
練習と思えば、いいか”
三田は、そう考えて、辛抱強く、
瑠菜を使い続けた。
点差は、かなり開いていたので、
慌てることは無かったのだ。
第4クォーターには、もう一人のガード、
沙耶も出してみたが、2人とも、
同じようなものだった。
“もう少し、経験が、必要だな”
試合後、佐紀と歩美は、2人を呼び、
いろいろ、アドバイスをした。
そして、皆で、
準決勝で当たるチームの試合を見ようと、
観客席のドアに、手をかけると、
「サキっ!」
後ろから、声がした。