部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

佐紀「6番は、3ポイント・シューターだね
   しかも、どこからでも、打ってる」


桃子「持たさなきゃ、いい、ニャン」


歩美「そうだね。
   持たせると、うるさいね」


佐紀「6番に付く時は、タイトね」


桃子「わかった、ニャン」


もう、桃子の“ニャン”は、
完全に溶け込んで、
誰も、何とも思わなくなっていた。

桃子も、諦めたのか、普通に流していた。



後半になると、佐紀と華子は、
向こう側のコートの試合を、見ていた。


反対側コートでは、第1シードの双海学園と
明邦の試合が、行われていた。

双海学園は、2年連続、インターハイに行き
今年も、優勝候補に、挙げられていた。

さすがに、優勝候補だけあって、
試合運びにも、そつがない。

明邦も、必死に闘っていたが、実力差は、
遺憾ともし難かった。

しかし、明邦は、
どんなに点差をつけられようとも、
はつらつと、走っていた。

その姿は、バスケットが出来る喜びに、
溢れているように見えた。



明邦は、準々決勝で、敗れた。

しかし、選手達の心は満足感で一杯であり、
流した涙も、清々しいものだった。

コーチの板倉も、今までになく、
満足感で、負けを受け入れた。

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