部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
………(6) 歓 喜
佐紀たちが、高揚した気持ちで、
重い足を引きずり、アリーナから出てくると
OGたちが、外で待っていた。
OGたちは、拍手で佐紀たちを、迎えた。
そして、佐紀たちの周りを、取り囲んだ。
坂井は、真っ直ぐ、三田の所へ行き、
三田の手を取ると、
「いやあ、ありがとう。
ホントに、ありがとう」
そう言って、握った手を、大きく振った。
坂井の目は、潤んでいた。
「ワシの、夢だったんだ。
インターハイへ行くのが、
ワシの、夢だったんだ。
ありがとう。
ホントに、ありがとう」
それを見て、OGの中には、
涙を拭っている者もいた。
それは、坂井だけではなく、
OGたち全員の、夢だったのだから。
三田は、
「いや、坂井さんの礎が、
あったからこそですよ。
俺は、それをちょっと、
後押ししただけですから」
「何を、謙遜してるんだ。
もっと胸を張れば、いいじゃないか。
いやあ、こんな、嬉しいことは無い」