部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル
**  仲 間

………(1) いざ京都へ


佐紀たちは、顧問の荒木先生の引率のもと、
新幹線で、京都に向かった。

乗り込む前に、先生から、


  「あまり、騒がないようにね。
   他の人の迷惑になりますから」


と、注意を受けた。



新幹線に乗り、座席に座ると、佐紀は、
1冊のファイルを取り出した。

先生が、


  「佐紀さん、何なの? それ」


  「今までやってきた、
   講義のプリントです。

   京都に着くまでの間、
   見直しておこうと、思って」


すると、それを見つけた華子が、


  「サキ、ずるいですわ。
   じゃあ、私も」


そう言って、華子も、ファイルを取り出した

すると、他の皆も、次々と、
ファイルを、取り出し、読み始めた。

何も持っていないのは、梨沙だけである。

梨沙は、プレーヤーのイヤフォンを耳に、
何かを聞いていた。


  「梨沙さん、何、聴いてるの?」


  「聞きますか?」


先生が、イヤフォンを耳にすると、
それは、英会話だった。


  「梨沙さん、これ」


  「私、進学しようと思って。だから、
   勉強しなくちゃならないんです」


皆、真剣に、プリントを読んでいる。


先生は、驚きの声を上げた。


  「あなたたち、一体、何なの。

   勉強も、そのくらい真剣に、
   やってちょうだいよ」


すると、桃子が、


  「先生、うるさい!
   他の人の迷惑になるでしょ」

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