部活~ウチらバスケ部~高校編 ファイナル
………(2) 初 戦
体育館、アリーナ。
試合前の、アップが始まった。
三田は、ベンチから、それを見ていた。
梨沙が、横に来て、
「コーチ、スタート、誰にしますか?」
「そうだな。スタートは、
ソノ、アユ、リカ、ミヤ、モモ。
この5人で行こう」
「これが、ベストですかね」
「そうだな。とりあえずこれで、
様子を見よう。
後は、相手の出方次第だな」
「じゃあ、これで、オフィシャルに
出して来ます」
三田は、佐紀たちのアップを見ながら、
感慨に耽っていた。
佐紀達を、中学校で見て来たが、まさか、
ここまで来るとは、思っていなかった。
やはり“バスケットが好き”ってのは、
最高のモチベーションだなと思った。
しかしこれも、頭に“クソ”がつくほど
真面目な、佐紀に依るところが大きい。
華子も、佐紀がいなかったら、
ここまでになっていたかは、疑問である。
つくづく佐紀は大した奴だと、三田は思った
梨沙が横に来て、ポツリ、つぶやいた。
「来たんですね」
「ああ、そうだ。夢にまで見た舞台だ。
お前も、
このコートに立ちたかっただろうな」
「いえ、立ってますよ。
私も、みんなと一緒に
プレイ、してますから」
「そうか」
2人は、感慨深げに、皆のアップを見ていた